奥平(おくだいら)産婦人科医院は宮古島市では数少ない産婦人科です。ママの笑顔とご家族の笑顔を大切に日々診療にあたっております。

奥平産婦人科医院

思春期の外来について

辛い月経痛で部活や勉強が十分にできない、十分なパフォーマスが発揮できない小・中・高校生のため、当院では思春期の方の月経痛・月経移動などについての相談に乗っています。

痛み止めの飲み方の指導や、必要があれば後述する LEP 製剤などの使用も行なっています。最初は保護者の方と相談しながら治療方針を決めていきますが、ある程度方針が固まればお子様だけでの受診でもよくなります。

また中学生から高校生の学生に対し、HPV ワクチンの接種も推奨しています。

HPVワクチン(ガーダシル・シルガード)について

当院では4価のHPVワクチン(ガーダシル)、9価のHPVワクチン(シルガード)ともに接種を行っています。

「子宮頸がんワクチン」は2013年ごろ、特に若い女性においての副反応が問題となり接種が控えられていました。しかし最近の研究により、今まで「子宮頸がんワクチン」の副反応と考えられてきた症状は、実はワクチンを接種していない子供たちにも多数見られることがわかってきました。

日本からも論文が出ており、最終的に「副反応と言われる症状とワクチン接種の因果関係は見つからなかった」(No association between HPV vaccine and reported post-vaccination symptoms in Japanese young women: Results of the Nagoya study)とされています。そのため実際の副反応は非常に少なく、比較的安全に使用できるワクチンであることが再認識され、2022年4月より厚生労働省は積極的接種を再開しています。

実は海外では以前から副反応に関しては冷静な反応をしており、「子宮頸がんワクチン」は通常通り接種が推奨されており、これらの国からはすでに「子宮頸部異形成」(何年か経つ度とがんになる可能性のある病気)、そして「子宮頸がん」が減少する報告が出てきています。

例えば2021年英国から出たデータでは20〜30歳の女性のデータを追跡した結果、12~13 歳 で「子宮頸がんワクチン」を接種した場合、しなかった場合と比べて87%も「子宮頸がん」が減少することがわかってきました。(Falcaro M, et al. Lancet. 2021; 398: 2084-2092.)

「子宮頸がん」は非常に恐ろしい病気です。

これは若い世代の女性に多く、小さい子供を抱えた世代の母親が罹患することから「マザーキラー」という名前で知られています。この病気はHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染が引き金になることがわかっており、このウイルスは性行為で感染します。また、このウイルスは一度体に入るとなかなか排泄されることはなく、とても長い間とどまることもわかっています。

「子宮頸がんワクチン」はこのウイルスの特定のタイプ(ガーダシルであれば16、18型、シルガードであれば16、18型に加えて31、33、45、52、58型)を予防するものです。このタイプは実際の子宮頸がんの原因の8割を占めるため、このワクチンを接種することで8割の子宮頸がんの発生を防げるというわけです。

しかし一度体にウイルスが入ってしまうと、ワクチンでは効果がありません。またHPVは非常に蔓延しており、症状もないため、これを避けて性交渉を行うことは非常に難しいのです。そのため「まだ性交渉をしていない年齢の子供達にワクチンを接種する」事が最大のがん対策となるのです。

世界中ではHPVワクチンの取り合いが起こっています。自国で接種ができないために、HPVワクチンが余っている日本まで来て接種する外国のかたもいらっしゃいます。

宮古島においても、すでにこのウイルスに感染して子宮頸がんの前病変である「子宮頸部異形成」と診断されている方がたくさんいらっしゃいます。そして「子宮頸部異形成」を超えて「子宮頸がん」と診断されている方もおられます。

「子宮頸がん検査」をすれば防げるのでは?という意見も聞かれます。「がん検査」は確かに良い方法ですが、これは状況をよくしているのではなく観察をしているだけです。子宮頸がんを初期で見つけて「子宮頸部円錐切除術」を施行したとしても、その後の妊娠で早産となるリスクもたかまりますし、そもそもHPVウイルスが消えるわけではないので「子宮頸がん」が再発するリスクもあります。

「子宮頸がん」はワクチンで予防することができます。このワクチンで一番恩恵を被るのはまだ性交渉をしていない子供たちです。当院では次世代の健康と安全のために、このワクチンの普及を強く求めます。

詳しい情報については当院ホームページのトップにある「みんパピ」をクリックしてみてください。

月経困難症の治療について

月経困難症は若い女性の25%以上に認められると言われています。「子宮内膜症」などの病気が原因となることもありますが、特に原因がない生理痛も多くみられます(「機能性月経困難症」)。

当院ではこれらの治療としてLEP(low dose estrogen progestin:フリウェル、ルナベル、ドロエチ、ヤーズなど)・子宮内避妊システム(レボノルゲストレル放出子宮内避妊システム:ミレーナ)・黄体ホルモン製剤(ジエノゲスト・ディナゲストなど)、他に GnRH アンタゴニスト(レルミナ)などによる治療を行なっています。

薬には良い効果と副作用があり、個人によっても相性があるため医師と相談して自分にあったお薬を見つけていくことになります。

緊急避妊薬(ノルレボ)について

避妊に失敗してしまった時のための緊急避妊薬(ノルレボ)の取り扱いを行っています。避妊効果は 100%ではありませんが、妊娠する確率を下げることができます。

緊急避妊薬の処方には原則同意書が必要となります。

性交渉から 72 時間以内であれば、原則診療時間内のみでの対応となります。診療時間内の料金は 9000 円です。

避妊法(子宮内避妊システム・経口避妊薬)について

当院では経口避妊薬(低容量ピル)・子宮内避妊システム(レボノルゲストレル放出子宮内避妊システム:ミレーナ)などの避妊を目的とした薬剤の取り扱いをしています。

これも上記の薬と同様良い効果と副作用があります。自分にあった避妊法を選択し、バースコントロールを行いましょう。

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