和痛分娩について
「和痛分娩」導入のお知らせ
当院では、分娩時の痛みを軽減するために「和痛分娩(わつうぶんべん)」を導入いたしました。
和痛分娩とは?

「和痛分娩」は、完全に痛みを取り除く「無痛分娩」とは異なり、お産の痛みを“やわらげる”ことを目的とした方法です。
歯医者さんで使う局所麻酔薬を使用し、神経ブロック(傍頸管ブロック・陰部神経ブロック)を行う事で、分娩の一番つらい時間帯の痛みを和らげることができます。
無痛分娩を行いたいけど医者や助産師の数が少なく、医療資源の少ないところなどで使われています。
当院で行う方法
- 傍頸管ブロック
- 子宮口が4〜6cmほど開いたころに実施
- 陰部神経ブロック
- 子宮口が全開大となり、いきみを始める直前に実施
いずれも、1〜2回の注射で約2時間ほど痛みが和らぐ効果があります。
使用する針は安全性の高い専用針で、出血や合併症のリスクにも配慮しています。
しかし痛みを「0」とするわけではなく、また陣痛の感じ方は人それぞれのため、効果が弱いと感じる方もいます。
傍頸管ブロックや陰部神経ブロックは、プラセボや鎮痛薬と比較し、分娩時の痛みを軽減し妊婦さんの満足度を高めることが、国際的な医学レビュー「Cochrane Database of Systematic Reviews」にて報告されています。
また局所麻酔中毒を避けるため投与できる麻酔薬の総量が決まっており、一回の分娩において傍頸管ブロック・陰部神経ブロック合わせて2-4回しか行えません。
当院で使用する麻酔薬ではおよそ40mlまでが安全投与可能量となります。一回投与量が10mlとなるため上記投与回数となります。
そのためこの手技は、持続硬膜外麻酔(いわゆる「無痛分娩」)とは分けて、「和痛分娩」と呼ばれています。
和痛分娩のメリット
- 分娩時の痛みの軽減
- 不安感の緩和によるリラックスしたお産
- お産に前向きに臨めるという心理的な安心感
和痛分娩のデメリット
- 麻酔の効果が弱い・実感できない可能性
- 分娩の進行が早く、麻酔が間に合わない可能性
- 針による血腫などの可能性
- 局所麻酔薬による中毒(0.075~0.2%)と頻度は稀ですが、重症の合併症です
料金について
現在のところ、傍頸管ブロック・陰部神経ブロックともに1回あたり8,000円で行います。
ご希望の方へ
和痛分娩はすべての方に必要なものではありません。
「怖い」「不安」「なるべく自然に産みたいけど痛みに耐えられるか心配…」
そんなお気持ちの方にとって、「もう一つのお産の選択肢」としてご提案しています。
興味がある方は、どうぞお気軽にスタッフまでご相談ください。
※院長不在時は、対応できません。予めご了承ください。